● 実質的要件

 「法の適用に関する通則法」第31条第1項によれば「養子縁組は縁組当時の養親となるべき者の本国法による」としながら、「この場合において、養子となるべき者の本国法によればその者もしくは第三者の承諾もしくは同意または公の機関の許可その他の処分が必要であるときは、その要件も備えなければならない」と規定しております。

 ● 形式的要件

 養子縁組が成立するための形式的要件について、通則法第34条は「親族関係についての法律行為の方式は、その法律行為の成立について適用すべき法による」と定められています。そして「前項の規定にかかわらず、行為地法に規定する方式は有効とする」とも規定しています。

 以上の法の趣旨からすれば、日本人が日本で養親となる養子縁組の要件は、日本法によることができ、方式も日本法に沿った手続きでよいことになります。

 ● 家庭裁判所の許可

 さらに養子を保護するために、養子の本国法が本人やその実父母の承諾、同意、あるいは裁判所や公的機関の決定、許可等を必要としている場合は、その要件も満たす必要があります。公的機関の許可が求められる理由が養子となる者の福祉をはかることであれば、日本で養子縁組を行う場合、同様の目的を持つ家庭裁判所の許可をもってこれに代えることができるとされています。

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